みなさん、お煎餅ってどうやって作るか知っていますか?
一般の方にとってお煎餅作りを見る機会はなかなかないと思います。お近くのお煎餅屋さんで焼いている姿は見ることができても、生地作りは多くの機械を使って作られるものですから別の工場や外注をしているお店がほとんどです。
当店では生地から製造しておりますので、こちらのページではせんべいの作り方をご紹介いたします。
まずはお米を研ぎます。
大きな水槽の中にお米をどっさり入れるので規模は大きいですが、ご家庭でお米を研ぐのと方法は同じです。
水が乳白色になったら水を捨てすすぎます。この写真はすすぎ終わったお米です。(もち米)こちらはボイラーです。
といだお米を蒸かすために蒸気を作る装置です。
かっこいい機械ですが原理は簡単で、火でお風呂を沸かすようなものです。
沸いた時にでる蒸気をパイプに通して出口を狭くすることで高温で高圧力の蒸気を作ることができます。
蒸籠(セイロ)を積んで、ボイラーで作った蒸気をお米にとおして蒸かします。
この蒸かしがこの後の作業とせんべいの仕上がりに大きな影響を及ぼします。
ムラのないように、芯まで蒸気を通すのはまさに職人の勘です。炊きあがったお米をあけて余分な蒸気と熱を抜きます。
その日の天気によって温度も湿度も違うので、お米の温度管理は非常に難しいです。
この後木のヘラで天地返しをして丁度いい具合にしていきます。
暑い日には扇風機をあてて冷ますこともあるんですよ。
天地返しは時間との勝負です。
熱いお米は冷ますことができますが、冷えてしまったお米はもう温めることができません。
手際良くひっくり返し、触りながら温かさを感じて作業します。ひねり出されてお餅になってきました。
まだまだツブツブ感が残っているのでこれをもう一度練ります。
ホカホカのお餅はとても気もちいい肌触りがするんです。
お餅を整形し、海苔を混ぜていきます。
仕上がった時にうずまきになるよう、餅を平たくし海苔をふりかけ、丸めていって出来上がりです。
お餅の整形ははたで眺めていると簡単に見えるのですが、やってみるとコツが必要で、少し間違えると不格好になります。
お餅を金太郎飴のようにするのも職人技だったりします。まだ太い円形のお餅を転がしながら伸ばしていきます。
均一に伸ばさないと生地の大きさにばらつきがでるので、慎重を要する作業です。
この時お餅が冷めてかたいとなかなか伸びず、暖か過ぎて柔らかいと伸びすぎて均一になりません。
時には二人かかりで伸ばします。
こうして伸ばした生地をお煎餅になるようにカットしていきます。
機械でがっちゃんがっちゃんカットしたものを網に並べ、乾燥室に運びます。網に並べるのは手作業で、機械に負けないように慌てず騒がず並べます。
生地は手にくっつくので、油を手に塗って対策します。
乾燥させた生地を寝かせて、今度は天日干しをします。
冷たい乾いた風にあてると生地が良い状態で渇きますので天気をみながら作業します。
乾きすぎると生地が割れてしまうので、こまめに乾燥状態をチェックします。
長い過程を経てようやくせんべいを焼くことができます。
手間暇かけてきましたので、ここで失敗するわけにはいきません。
合わせ網に生地を並べて焼き窯にいれます。
火の強さとひっくり返すテンポは生地の状態を見て決めます。
写真は職人の社長です。
今焼いているかきもちは高温の火でふっくら焼きます。
しかし表面は焦げやすいので網を早いテンポで何度もひっくり返します。
ところでさきほどから私が写っているカットが無いのは、写真を撮っているからですよ!
ようやくおせんべいが焼きあがりました。
このまま食べてもおいしそうですが、おせんべいはやっぱり醤油が一番合います。
こちらのかきもちは「甘辛」といって醤油に砂糖をまぜた甘じょっぱいお煎餅になります。
時々醤油をつけない「素焼き」を求めてご来店くださるお客様もいらっしゃいます。おせんべいをトングで掴んで、壺に入った甘ダレにつけていきます。
てりてりしてとってもおいしいそうですよね。
店頭ではこちらのおせんべいを串にさして、食べ歩き用に販売しております。
つけたては店頭のみで食べられる貴重なおいしさですよ。
ぜひ成田山の観光のついでにお立ち寄りくださいね!
甘タレをつけたら最後の仕上げに乾かします。
1日乾燥庫にいれて乾いたところを袋に詰めて完成です。
うっかり乾かし過ぎると焦げてしまうので、油断は禁物です。これで完成。
当店の
かきもち8枚入り645円はこのようにして出来上がります。
こちらはもち米のおせんべいの作り方でした。
いかがでしたか?今まで以上に煎餅を身近に感じて頂けたら嬉しいです。